東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が3000人を超えたと発表があった平日の昼下がり、携帯電話に1本の電話がかかっていた。
「○○さんですか?キャンセルワクチンの接種協力者制度に登録しましたよね?キャンセルした人が出ましたので、今から1時間以内に会場に来られますか?」と、青梅市の職員らしき方から電話がかかってきた。
こいたま編集部の一人は、青梅市在住の40代。まさに青天の霹靂だった。
青梅市のキャンセルワクチンの接種協力者制度に登録したが、まさか電話がかかってくるとは思わず、少々困惑気味に。その後のやり取りはこんな感じで続いていったのだった。
キャンセルワクチン接種のやりとり
仕事中だったため「確認してから折り返しでもよろしいでしょうか?」と伝えたところ、「それでは次の方に連絡しますが、よろしいでしょうか?」と。これは迷う!!
青梅市の40代の接種は7月30日(金)から予約可能だが、予約できるかも不明の中、いつワクチンの接種ができるかもわからない。
悩む暇もなかったため、「行きます!受けます!」と、まずは接種枠を確保。「今からワクチン打ってきます!」と会社の承諾を得た上で、心の準備もないまま急いで会場に向かったのであった。
青梅市のキャンセルワクチンの接種協力者とは
青梅市では、ワクチン接種予約の急なキャンセルなどによるワクチンの廃棄防止のため、当日、急なキャンセルなどが出たときに、すぐに会場に来て接種できる協力者を募集している。
事前に登録が必要であり、青梅市公式ホームページからできる。
登録に関する注意事項
- 登録は、ワクチン接種を約束する接種予約ではない
- 青梅市の集団接種会場で使用しているのは「ファイザー社」製
- 接種後に2回目の接種予約をする
当日の注意事項
- 急なキャンセルが発生した場合のみ電話で案内
- 連絡後、1時間程度で接種をお願いすることになる
- 医療機関・接種会場へは自分で向かう
- 電話に出られなかった場合、不在着信の折返しでは案内不可
登録はあくまでも接種の予約ではなく、「急にキャンセルした人がいたら、あなたに順番が回ってきますよ〜」という制度。電話が来たらすぐに対応できる人が対象だ。
対応可能な接種時間
キャンセルが出た場合、どの時間帯なら接種可能かを登録時に選択できる。
- 日中接種(15時から16時ごろ連絡を受け、「16時45分から17時15分まで」に会場到着可能)
- 夜間接種(19時から19時30分ごろ連絡を受け、「20時から20時45分まで」に会場到着可能)
- 日中接種・夜間接種のどちらも指定時間までに会場到着可能
夜間接種の選択が可能なため、日中働いている人にも登録しやすい制度となっている。
対象者
- 青梅市に住民票がある16歳以上の接種券をお持ちの方(ただし、当面は65歳以上の方優先)
羽村市でも同様にワクチン当日キャンセル待ち協力隊なるものがあったが、64歳以下は非対象だった。
青梅市では6月末に、64歳以下にも「接種券」を送付。7月には到着していたため、64歳以下でもキャンセル登録が可能となっているのだ。
ちなみに青梅市の集団接種の予約受付開始日は以下のとおり。
対象者 | 予約開始日 |
| 7月9日 |
40歳〜59歳の方 | 7月30日 |
16歳〜39歳の方 | 未定 |
いざ、接種会場へ!
こちらが今回、キャンセル待ちで接種できる会場「住友金属鉱山アリーナ青梅(青梅市総合体育館)」。青梅市の集団接種会場は、福祉センターとこちらの会場の2箇所で、キャンセル待ちでは会場の選択はできない。
会場が不明な場合は、かかってきた電話で聞いてみよう。
会場前には案内看板が設置してあるため、この矢印の方向に進んでみよう。
ここからは撮影NGのため、実況中継のような形で笑。
中に入り、最初に検温。会場内にはパイプ椅子がずらりと並んでおり、座って予診票に記入。書く時間がほとんどないため、あらかじめ分かる範囲で記入してくると良いだろう。
予診票の「接種順位の上位となる対象グループに該当しますか」という項目があるのだが、キャンセル登録の場合、「医療従事者等」にチェックするそうだ。
次にブースを移動し、医師の問診へ。先生に質問をできるチャンだが、あまり時間が取れないため手短に。
その後またブースを移動し、いよいよ接種へ。30人ほど待機しているが、接種箇所が複数あるため、5分ほどで接種が終了した。
その後またブースを移動し、経過観察の場所へ。経過観察の途中だが名前を呼ばれ、また別のブースに移動する。
移動したブースで、接種後の注意点が記載されたファイルを受け取る。
2回目接種は自動的に予約され、接種日と接種時間が記載された黄色い紙を渡される。巡回している看護師から「もう帰宅して大丈夫ですよ」と促され、15分経過した人から退場し終了となる。
後日談:ちなみに、2回目接種の予約は都合が合わない場合、変更可能だ。渡された紙に記載されている「2回目接種専用電話番号」にかければ、3週間後以降の近い日付なら変更できる。
ちなみに車で来場した場合、接種前の入口で駐車券を提出すれば無料になるので、忘れずに出すようにしよう。
キャンセルワクチン接種したあとの感想
ワクチン接種に関する賛否両論もあるが、ワクチン接種がいつできるかどうか不明な中、キャンセルワクチン接種という制度で早期に接種できたことは非常にありがたい。
メリットとしては早期に打てるということ、1度登録してしまえば、接種の予約の手間が省けてしまうことだ。ワクチンの大量廃棄が問題となっている中、その社会問題に少しでも貢献できたことだろうか..。
しかし、デメリットは、心と体の準備ができていない最中で打たなければならないことだ。1時間以内に向かう必要があり焦ったまま打つことで、メンタル面でもよくない環境である。
勤務中の場合、許可を得る前に早退するかどうかを自分で判断することになる。
なお、登録すると名簿に掲載されるのだが、連絡は、登録時の先着順ではない。どうやって選別しているかは不明だが、早く登録すればよいというものではないみたいだ。
電話が来たら「受けなきゃ!」と思ってしまいがちなので、キャンセルワクチン接種を登録する前に、よく考えてから登録することをおすすめする。