JR青梅駅から徒歩で約15分。青梅市大柳町にある「釜の淵公園」は市が管理する公園で、多摩川河川敷に隣接しています。 春は桜、夏は新緑が美しく、夏を中心に釣りや川遊びの人々で大いに賑わう観光スポットです。
ときは寒さが厳しい年末。外気温が10℃にも満たない極寒の日中に、河川敷で初のキャンプを行うことにしました。
西多摩に暮らしているのに、実は一度もキャンプをしたことがない「こいたま編集部」の1人。奥多摩でよくキャンプをするという方(「キャンプの達人」と呼ぼう)にアドバイスをいただきながら、初の焚き火キャンプに挑戦しました。
果たしてキャンプはうまくいったのでしょうか?
キャンプに行く前に燃えにくい上着を購入
キャンプの達人から「ナイロン製の洋服だと穴が空きますよ!」と教えていただき、キャンプに行く前に羽村市の「ワークマンプラス」に寄り、火の粉に強いというジャケットを購入しました。
ワークマンの難燃ウェアのほとんどは綿を90%以上使用しており、火の粉が服にかかっても安心な素材です。着るとややゴワゴワですが、動きやすくオシャレなデザインのため、女性にもおすすめです。
冬の寒さにも耐えられるように、中に取り外しが可能なナイロン生地のベストが入っているタイプにしました。
釜の淵公園には無料の駐車場が併設
こちらが公園入口です。なかなかわかりづらい場所にあるため、来る時は「かんぽの宿 青梅」を目指すとわかりやすいかも。坂道を5分ほど下ると、多摩川河川敷への入り口があります。
公園入口に、10台ほど停められる無料の駐車場が併設されています。スペースが限られているため、バーベキューシーズンの週末は早めに出かけることをおすすめします。
隣接する駐車場が満車の場合、公園からは少し離れていますが、多摩川を挟んだ反対側に77台停められる有料(1時間100円)の「釜の淵公園大柳駐車場」があります。※利用時間:午前8時~午後8時(10月から2月は18時まで)
この駐車場もいっぱいだった場合、JR青梅駅や釜の淵公園近くで安い駐車場を事前に検索して予約できるサイト「特P(とくぴー)」で検索すると出てきます。会員登録は無料ですので、お出かけ前に登録しておくと便利ですよ。
公園内は焚き火禁止
公園内には国の重要文化財「旧宮崎家住宅」や青梅郷土博物館の文化施設があります。周辺には、桜の木やメタセコイヤの大木などが生えており、自然散策や青梅の歴史を学べます。
ちなみに公園内はキャンプ禁止ですので、注意しましょう。
温水便座ではありませんが、きちんと清掃されたトイレがありました。
水道が近くにあるため、キャンプ用の水もここで調達可能です。ただし、キャンプ用に設置されているわけではないため、モラルを守りキレイに使うようにしましょう。
水道水の隣にテーブルがあります。食材や鍋などを置くのにとても便利です。
多摩川河川敷では直火禁止
多摩川河川敷に到着。白くて形が美しい橋「鮎美橋(あゆみばし)」をくぐろうとしているカヤック部隊を発見。手を振ったら、こちらに手を振り返してくれました。
夏のバーベキューシーズンは、多くの人でにぎわっている地。ですが、真冬は2~3組しかいませんでした。
河原でのバーベキューは、予約も利用料も不要な点がポイント。区画もありませんので、スペースが空いていればどこでもDAYキャンプやバーベキューが楽しめます。
河川敷でキャンプを行うときのマナーとして、以下の3点は必ず守るようにしましょう。
- バーベキュー後のゴミは必ず持ち帰る
- 直火では行わず、バーベキューコンロを利用
- 近隣住民の方の迷惑にならないよう、大声で騒がないように注意
焚き火にチャレンジ
今回は、青梅市にあるホームセンター「コメリ」と「カインズ」で薪を購入。それぞれ広葉樹と針葉樹の薪です。
広葉樹は針葉樹に比べ、幹の密度が高く火が付きにくいですが、一度火が付くと火持ちが良いのが大きなメリット。 油分やヤニも少ないので、煙も少なめです。
薪に着火するため、スギの枯れ葉を収集。冬の公園内には、さまざまな枯れ葉が落ちている点がありがたいですね。
焚き火台の下にスギの枯れ葉を入れ、薪を乗せて着火。スギには油分があるため、あっという間に点火し、みるみるうちに薪に燃え広がっていきました。
火起こしって、縄文や弥生時代のときに上下に手を動かして起こすイメージがあったので「なかなか付かないかなぁ」と思っていたら、「そうか、現代人はチャッカマンのようなキャンプ用のライターを使うのか」と笑
10秒ほどで薪に火が付き、あっという間に燃え広がっていきました。
気温が10℃にも届かない極寒の中で焚き火を行ったため、非常に暖かい。体の芯まで暖めてくれるというか、ゆらぐ炎を見ているだけで癒やされてしまいました。
焚き火に暖まりながらズボラキャンプ飯
「さて、キャンプ飯を作ろう!」
キャンプの達人が何を作ってくれるのかと楽しみに待っていましたが、ここで調理はせず、缶詰やパスタを使ってご飯を作るとのこと。いわゆる「ズボラキャンプ飯」です。
即席麺をバナーの上に乗せた鍋で温め、乾燥野菜やワンタンなどを入れて完成。ワンタン煮込みラーメンが出来上がりました。外で食べるラーメンのおいしいこと、おいしいこと!
「体がポカポカに暖まる。スープ、めちゃくちゃおいしい!」
普通のカップスープでさえ、高級レストランで食べているかのように感じるから不思議です。
こちらはサバ缶のガーリックパスタ。「キャンプ飯ってこんなにもおいしかったのか」と感動しまくり。「家で食べるのと比べて100倍以上おいしい」と感じるほど。
食後はコーヒータイム。焚き火の前で淹れたてのコーヒーを楽しむなんて、まるでCMに出てきそうな光景ではないですか。
目の前にトンビが飛んでいたり、野鳥のセキレイが河川敷に遊びに来てくれたり。目の前の光景が有機ELテレビを見ているかのように美しく、言葉なんていらないひとときを過ごしていました。
薪が想像以上に早くなくなり
キャンプを始めて3時間。寒かったため、次々に薪を燃やしていたら、予想以上に薪が早くなくなってしまいました。
河川敷に落ちている枯れ木を拾い集めていたところ、隣でソロキャンプをしていた男性が「もう帰りますので、こちらの薪を使ってください」と、立派な広葉樹の薪を数本プレゼントしてくれました。
男性は都内から初めて青梅にキャンプに来たとのこと。「初キャンプ、同じじゃないですか!」と一同爆笑。
「大変ありがとうございます。大切に使います」とお礼を述べ、「またこの地でお会いましょう!」と、男性を笑顔でお見送り。
立派な広葉樹の薪からプシューッと音が!薪の中からガスが発生しているのが見てわかります。他の薪と比べると、ゆっくりと火が付いて長持ちし、暖かさが持続。広葉樹の方が何度も入れる手間が省け、長持ちするのでいいかも。
男性に「どこで薪を買われたのですか?」と尋ねたところ、「ジョイフル本田ですよ」と。見た目が高そうですが、次回からジョイフル本田で購入しよう。
初めてのキャンプは心温まる出会いのおかげで、心の中までポカポカに温まったのでした。
温かい出会いがあり、最高に楽しめた初キャンプ
初めてのキャンプ、どうなるかと思いましたが、焚き火からズボラキャンプ飯とともに壮大に広がる景色を楽しめました。温かい出会いが楽しめたことで、寒さも和らいでいくのを感じました。
多摩川の上流にはアユやヤマメなどの川魚が生息しており、釣果をその場で串焼きにすることもできます(釣りは遊漁料の支払いが必要です)。
釜の淵公園沿いの多摩川河川敷は予約もいらず、利用料もいらず。大自然の中でキャンプやバーベキューを楽しめます。食材や器具のレンタルはありませんので、バーベキューに必要なものはすべて持参してくださいね。
夏場は激混みであろう地も、冬場は人ゴミを気にせず、のんびりと過ごせる穴場スポット。あまり人には教えたくない場所ですが、青梅にこんなに魅力的な焚き火ができる地があるなんて、教えられずにはいられませんでしたよ。
冬キャンプはだいたい午後3時半ぐらいから日陰になってしまうため、風邪を引く前に早めに撤収しましょう。ゴミを持ち帰るのを忘れずに!
青梅の大自然をゆったりと堪能しながら、身体の芯まで暖まる焚き火キャンプを楽しんでみてくださいね。
釜の淵公園の詳しい情報
- 住所:青梅市大柳町1392
- 電話:0428-22-1111
- アクセス:JR青梅線「青梅駅」から徒歩10分(800m)、またはJR青梅駅から都バスの駒木町行き(梅77)に乗車し「郷土博物館入口」で下車(所要時間7分)バス停から釜の淵公園まで徒歩3分(240m)