奥多摩湖畔に佇む大人気の飲食店「島勝(しまかつ)」が、2024年3月31日(日)で閉店することになりました。えぇぇ~~!!
東京都の最西端の飲食店であり、こいたま編集部員は取材の合間に立ち寄ったりと、何度も何度もなーんどもお世話になっている大好きなお店です。
奥多摩湖の小河内ダム完成と共に昭和32(1957)年に開業して67年余り。地元や観光客に愛され続けてきたお店だけに、閉店を知ったときはびっくり!
びっくりした後に、大きな悲しみが襲ってきました。
多大にお世話になったからこそ「閉店までに行かなくては!」と、さっそく2人の編集部員で行って来ることにしました。
店内に貼ってあった閉店のお知らせ
深夜に雪が降った3月8日(金)。冷たい風が吹き、日中の気温6度と肌寒い中、お昼すぎに島勝に到着しました。
店内には地元で働く人と観光客が4~5人と、平日の寒い日でも訪れる人が多くいました。
これが土日になると、外は大行列ができるほどに・・。
入口から店内には「閉店のお知らせ」を告げる張り紙が。本当に閉店してしまうのね。悲しいぃ~!
接客を担当する島崎軍治さんから、「久しぶり!」と声をかけられた後、白い封筒を渡されました。
なんだろう?と恐れつつ開けてみたら、張り紙と同じお知らせが。「近々このお知らせを届けようと思っていた」と。
なんだか食べる前から涙が出てきちゃいそうになりました。
閉店の理由
閉店の理由は、高齢と身体の健康状態により、店を続けることが困難になってしまったからとのこと。
料理を担当する島崎幸子さんは、休業日を週2日と設けても、足の健康状態から厨房に立ち続けていることが大変になってしまったとか。
閉店は去年辺りから考えていたといい、続けたくても続けられないという苦渋の決断だったと言えるでしょう。
大好きなカツ丼と冬季限定の鍋焼きうどんをオーダー
最後だからと、いつもオーダーしているカツ丼のほかに、冬季(12~3月)限定の鍋焼きうどんを2人でオーダー!
熱々で家庭的なお味のうどんに、ゆず味噌が付いた刺身こんにゃくやおしんこまで!心がほかほかに温まる食事をありがとうございます。
島勝のカツ丼は安定のおいしさ!
これまで食べてきたカツ丼の中で、島勝のカツ丼は抜群においしいと思います。
涙とともにどんぶりをかき込み、あっという間に完食してしまいました。
今後どうするのか聞いてみた
一番気になるのが、閉店後どうするのかですよね。
「閉店後は、どうするのですか?」と店主に聞いてみたところ、「他の店が入ることなく、店内はこのままの状態だろうね。看板は外すだろうけれど」との回答。
そういえば、軍治さんは会うたびに「この店は1代限りで終わらす」っておっしゃってました。
他の店が入るということでもなく、家族や誰かに受け継ぐということもなく、ひっそりと閉店するとのことでした。
レシピは継承できるのか?
「完全に閉店してしまうのはもったいない!どなたかにレシピの継承はできないのですか?」と、厨房で一段落した幸子さんに聞いてみたところ、「ぜんぜん教えるわよ。これまでも何人にも教えてきたし」とのこと!
これは、島勝の味を引き継ぐ大チャンス!
どなたかレシピを継承し、同時に店を継ぐ人は現れませんかね?
あまりにもこのおいしすぎる黄金レシピが終わってしまうのは、もったいなさすぎます。
67年間本当におつかれさまでした
東京都の最果てで67年の間、地元と観光客の胃袋を満たし続け、家庭的な空間と2人の温かいお人柄で、幸せな気持ちをいっぱいに満たしてくれた島勝。もうこの味が食べられないかと思うと、大きな悲しみが一気に溢れ出してきてしまいました。
ここは、奥多摩の地域おこし協力隊に次に引き継ぐ人を見つけていただくしかない(笑)
若い人たちに、この長年愛されて続けてきた味をぜひ継承していってほしいものです。
店を後にした後にも、まだ手を降ってくださいました。
温かい人柄で包まれていた店をあとにし、心の奥底から全身までぽかぽかに温まった1日でした。
67年間、本当にお疲れさまでした。
営業日カレンダーがこちら。閉店までは水曜・木曜日がお休みです。
幸子さんは「最終日が日曜日で、それでおしまいよ!」と。最終日、頑張りすぎて倒れないでくださいね。
閉店までまだ3週間ありますので、奥多摩に行った際はぜひお立ち寄りくださいね。
「島勝」の詳しい情報はこちら
- 住所:奥多摩町留浦617
- 電話:0428-86-2038
- 定休日:水曜・木曜日
- 営業時間:11:00~14:00
- 交通(バス):奥多摩湖畔留浦バス停前
- 交通(車):奥多摩駅から約25分
- 駐車場:有り(店舗前)