ダムが好きとか山登りが好きとか、そんな理由がないとなかなか訪れる機会が少ない奥多摩町。都内では貴重な水源である人造湖「奥多摩湖」が観光資源として有名であり、1度訪れたら「ここは東京?」とびっくりしてしまうほど大自然に囲まれた町だ。
その貴重な水源である奥多摩湖の湖畔沿いに「島勝(しまかつ)」という食堂がある。あと数百メートルで山梨県という、東京都で最西端の飲食店だ。
『絶メシロード』や『アド街ック天国』などのテレビ番組で紹介されるなど、メディアが注目する行列が耐えない人気店だが、観光シーズンが落ち着いた寒い冬に行ってみることにした。
店舗の場所と店内

お店は、国道411号沿いの奥多摩湖畔留浦(とずら)バス停前にある。目の前には奥多摩湖が広がり、赤い丸いポストが目印だ。店舗横と道路を挟んだ反対側に駐車場があるので、車でのアクセスも便利である。

1957年(昭和32年)に完成した小河内ダムとともに歴史を刻む。店名が入った木製の看板に歴史と風情が漂い、和の温かみを感じる佇まいだ。


店内は4人掛けのテーブル席が3つと、長テーブル席が1つ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、店内の人数は10名前後にするなど、3密(密閉・密集・密接)を避けて営業している。


店内には、著名人のサインや様々な観光ポスターなどが貼られており、注目の高さが伺える。

窓際の席からは、湖畔を眺めながら食事が可能だ。木の温もりに癒やされ、陽の光を浴びながら食事ができる最高のロケーションだ。


トイレはとても広く、しかもウォッシュレット完備。広い洗面台がトイレの外にあり、隅々まで気持ちよく快適に過ごせる店内だ。
店舗メニューと島勝のお二人

主なメニューは以下の通り。
- やまめ定食:1,400円
- とろろめし定食:950円
- そば・うどん定食:1,150円
- かつ丼:900円
- 玉子丼:650円
- 山かけそば・うどん:850円
- かけそば・かけうどん:650円
どれもリーズナブルな価格設定で、和心を感じるメニューばかりだ。

店舗の温もりも抜群だが、それ以上にアットホームな温かさを感じるのが、女将の島崎幸子さんと、ご主人の島崎軍治さんのお二人。店舗に入ったときに、まるでお父さんとお母さんがいる実家に帰ってきたような温かさがある。
接客、配膳は軍治さん、調理は幸子さんが主に担当。軍治さんに「お店で1番人気のメニューは?」と尋ねたところ、「絶メシで紹介されたとろろ定食だね」と話す。お二人との何気ない会話ができる点も魅力の一つだ。

おすすめのとろろめし定食が気になったが、今回は定番のカツ丼をオーダーすることにした。
カツ丼をオーダーしてみた

こちらが島勝のカツ丼だ。味噌汁に小鉢が2つ付いている。豚は青梅・成木で育てられている地元のブランド豚「下田さんちの豚肉」を使用。臭みが少なく、柔らかいのが特徴だ。
カツの下に玉ねぎが敷き詰められており、ボリュームたっぷりの一品である。

甘みを含んだタレがカツの衣に染み込んでる!ふわふわの卵がタレとジューシーな豚肉を包み込み、やわらかい肉質のお肉とご飯の相性が抜群だ。これはおいしい!


おからや漬物など、一緒に付いている小鉢は、すべて幸子さんお手製。幸せを感じるひとときである。
近くにドラム缶橋もありプチ観光も可

お腹もいっぱいになって外に出て、キラキラ湖面が輝く湖畔に近づいてみたら、素晴らしい景色が広がっていた。
すぐ近くにドラム缶橋があり、プチ観光も可能だ。時間があれば、湖畔のベンチで日向ぼっこしながら、何もかも忘れてボーッとできる。
ボリュームもあり気持ちもお腹も大満足。自然のおいしさ、手作りのおいしさ。水と空気と景色も最高で、お腹も心もいっぱいに満たされてお店を後にした。
軍治さんから「うちの代でもうお店を閉めてしまうけどね」と。寂しい限りであるが、奥多摩に行ったらできる限り通ようと決意した次第。またお二人の温かさを求めて尋ねてみようと思う。
奥多摩町「島勝」の冬季限定メニュー鍋焼きうどんでポカポカに温まる
「島勝」の詳しい情報はこちら
- 住所:奥多摩町留浦617
- 電話:0428-86-2038
- 定休日:木曜・第一水曜
- 営業時間:11:00~17:00 ※時短営業は11:00〜14:00(営業時間は要確認)
- 交通(バス):奥多摩湖畔留浦バス停前
- 交通(車):奥多摩駅から約25分
- 駐車場:有り