
「奥多摩に『揚げたて』を食べることができるお店がある」
そんな噂を聞きつけた食いしん坊のこいたま編集部は、さっそくお店を訪れることにした。
奥多摩駅下車、青梅駅方面に歩いて3分。外壁に、ニワトリとウシとブタのかわいい絵があるピンクの建物を発見した。そのお店の看板には、「まるにや」の文字が並ぶ。
そうそう、「まるにや」肉店、ここが噂のお店だ。

「いらっしゃい!」
扉をあけると店主から威勢のよい声がかかった。ディスプレイには切り身のお肉が段々に並ぶ。メニュー表には、BBQ用お肉の案内も。
「奥多摩はキャンプ客が多いからね、手ぶらで来ても現地で肉を調達できたら便利でしょ」
確かに。カルビ、黒毛和牛、ホルモン。豚バラ、ロースにロングソーセージ。BBQの鉄板メニューがずらり。しかも150円/100gから、とリーズナブルな価格設定だ。お店のすぐ近くには氷川キャンプ場がある。
ということは、お客さんの大半は、「キャンプを楽しむ観光客」なのだろうか?
町民の台所、「まるにや」肉店。

「いや、これからなのよ、混むのは。夕ごはんを買う人が多くてね」
観光地と言えども、メインのお客さんは地元の奥多摩町民とのこと。夕飯の支度をする前に、「まるにや」さんで食材を調達するのだという。キャンプ需要は季節によって大きく変わるけど、地元の方に愛されるお店は、一年中お客さんで賑わっている。
お客さんに愛される、ワケ。
過去には地元新聞や、NHKにも取り上げられた「まるにや」肉店。
まるにや肉店さんがここまで人気なのには、ちゃんとした理由がある。ひとつは、「仕入れ」にとことんこだわっていること。定番の豚肉は、武蔵村山の(有)下田畜産さんから仕入れたものだ。
店主いわく「うっ、まい!肉だよ!」とのこと。
スーパーのない奥多摩では、日常の買い物でも隣町の青梅まで行くことが多い。奥多摩湖周辺にすむ住人は、青梅まで往復で2時間以上かけて買い出しに向かう。新鮮で美味しい肉を購入できる「地元の店」は奥多摩町民にとって貴重な存在なのだ。
美味しいコロッケのひみつ。

地元の人に愛される、もうひとつのワケ。それは、「揚げたて」を注文できること。コロッケ90円、メンチカツ100円、ハムカツ100円、ヒレカツ100円。カウンター越しにその場で注文してもいいし、電話での注文も受けているようだ。
「子どもたちもよく買いに来るよ」
まるにや肉店の近くには、小学校と中学校がある。下校帰りのお腹をすかせた子どもたちにとっては、夕飯までの小腹を満たす格好のオヤツだ。
「昔は1日で500個も作ってたよ。今は人口も少なくなっちゃったからなぁ」
話しながらも店主は鮮やかな手さばきで次々と揚げていく。数が減ったとはいえ、今でも日に200個は揚げているのだとか。それでも相当な数だ。
「昔は作り置きしていたんだけどね。やっぱり揚げたてが美味しいじゃん」
美味しいものを提供したい。店主のアツい思いが会話の端々から感じ取れて、聞いているだけでも幸せな気持ちになってくる。
味へのこだわりは、他にもある。例えば、コロッケに使う野菜。
「ジャガイモは男爵だな、しかも北海道産が一番美味い。玉ねぎも北海道産。もちろんラード(豚の脂肪)を使って揚げてるからね」

揚げ物にあわせてパン粉も2種類を使い分けている。コロッケには粒子の細かい赤パン粉、メンチカツには多少粗めの白パン粉。
(赤パン粉を使うとサクサクに仕上がるのかな…)
そんなことを想像しているうちに、注文したコロッケとメンチカツが出来上がった。

「アツいうちに食べてみて!」
うわぁ、めっちゃ美味しそうだっ!!!
とにかくジューシー!サックサクー!

今回はコロッケ、メンチカツ、ヒレカツを注文。いやぁ、どれも美味しかった!コロッケはホックホクだし、メンチカツはジューシー。衣はどれもサックサク。
でも、美味しさ詳細は、ここでは「あえて」書かないことにします。だって皆さんにも実際に食べて、感じて、味わってほしいですからね~。
ご主人と奥さんの二人三脚で作られる丁寧な味。皆様もお味見あれー!
「まるにや肉店」の詳しい情報はこちら
- 住所:東京都西多摩郡奥多摩町氷川173
- 電話:0428-83-2469
- アクセス:奥多摩駅から徒歩3分(奥多摩ビジターセンターの前)
- 営業時間:09:30〜17:30(天候等、状況により変化あり)
- 定休日:水・日
(遠方から向かわれる方は、出発前に営業のご確認をオススメします)