大型ショッピングモール「イオンモール日の出」(あきる野市下代継)前にあるメタセコイヤ並木。新緑、黄葉、冬の佇まいなど、季節ごとに変化する姿を楽しむことができる元都立秋川高校のシンボルだ。
景観上保全すべき自然環境など、市内88カ所に指定されている「あきる野市百景」にも選ばれており、長い歴史を感じる圧巻の景観が広がっている。
冷たい風が吹く12月下旬、現地を訪れてみた。
メタセコイヤ並木ができるまで

元都立秋川高校は、1965年に開校。戦後初の全寮制普通科高等学校であった。
東京都の公立校はすべて男女共学であるが、同校は例外で東京都の公立校で唯一の男子校でもあった。
開校時、生物学の担当教諭監修のもと、一期生たちがメタセコイヤを植樹。正門から北に500メートル続く120本続くメタセコイヤ並木が完成した。
本校の校旗と校章はメタセコイアの葉をモチーフにデザインされ、正門には「メタセコイアの碑」が設置された。
受験者数の低下により、2001年3月に閉校になったが、メタセコイア並木はOB生5715人の青春のシンボルとなり、植樹50周年を機にイオンモール日の出や同市役所で写真展が開催された。
冬のメタセコイヤ並木

歴史の深さを感じるメタセコイヤ並木。新緑時期の青々とした葉や真っ赤に染まる紅葉の時期も美しい。
さらに美しいと感じる時期が、冬の落葉した後の並木道。葉に覆われた美しさとはまた違い、木そのものの骨格が楽しめる。
50年以上もの時の流れをずっと見てきたのだろうか?
幹と枝が交互に織りなし、下から優しく包み込んでくれるすすきの穂。硬さと柔らかさが共演する景観が見られるのは、落葉した冬の時期だけだ。
ただし、一つ残念なのが現在はフェンスに囲まれているため、中に入ることができない。フェンス越しからマナーを守って撮影するように心がけたい。

同校の生徒たちの思いがたくさん詰まっているメタセコイヤ並木。いいことも悪いことも全て見守ってきたことだろう。
力強くその場所に生きる存在を、これからも大切に見守り続けていきたい。