雲取山(くもとりやま)は、東京都、埼玉県、山梨県の境に位置する、標高2017メートルの山。日本百名山の1つで、東京都の最高峰、最西端に位置する山としてよく知られている。紅葉の近づくこの時期、雲取山への登山客が増えているとの情報を入手したこいたま編集部は、状況を把握すべく、山のふもとまで行ってみることにした。
山梨県北都留郡丹波山村の「小袖乗越(こそでのっこし)駐車場」は、雲取山登山口にある丹波山村営の無料駐車場(駐車台数45台)だ。乗用車で来る登山客は、この駐車場に車を停めて登山に向かう場合が多い。トイレも設置されており、利便性に優れた駐車場だ。
東京・山梨県境を越えて最初のバス停「鴨沢」近くの傾斜路地を上がっていき、小袖林道(村道鴨沢小袖1号線)を進むと駐車場はある。
駐車場に向かう林道は、コンクリートで舗装されているのでSUVやクロカンでなくても難なく走ることができる。そのアクセスの良さからなのか、我々編集部が調査したときは、林道脇の空き地も駐車スペースとして使われていた。本来は車同士のすれ違いにも使えるスペースなのだろうが、空いているスペースはすべて車で埋まっている状況だった。
目の前を走っていた乗用車が林道のカーブで対向車と行き違いとなり、しばらくストップ。何度も切り返しながら進んでいた。大型のミニバン同士なら困難を極めたかもしれない。
混雑もあって鴨沢バス停から10分程度はかかっただろうか、「小袖乗越駐車場」に到着。見ての通り、隙間もないほどの自動車が停車していた。
雲取山登山客の憩いの場になっているカフェ「山の休憩所かゑる」のご主人によると、「この時期は、早朝から満車状態。映画の影響もあるのかもなぁ」と話す。
雲取山は、大人気漫画「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の主人公、竈門炭治郎(かまどたんじろう)の出身地としても知られるようになった。ただ、この周辺で「鬼滅の刃」の出身地を宣伝している雰囲気はまったくなかった。雲取山に何度も登山される方に話を聞いたが、「登山道にもそれらしきポスターはない。もし鬼滅の宣伝したら、それを目的に来てしまう方もいるかもしれず、危険かもしれない」と話す。
映画が大ヒットしたためか、軽装で雲取山に訪れる人が増えたというニュースもあった。
「山の休憩所かゑる」のご主人曰く、「普段、登山されていない方が気軽に登れるほど甘い山ではない。命に関わるかもしれないので、服装や持ち物、体調管理には十分に気をつけてほしい」と注意喚起している。
山には当然、クマも出る。鬼は居ないかもしれないが。
もし駐車場が満車だったら?もしツキノワグマと出くわしたら?
山に登るという行為は、ただ山に登る体力と技術があればできることではなく、必要な準備と、相応の心の持ちようが必要なのだと、また一つ気付きをもらったこいたま編集部なのであった。
丹波山村営 小袖乗越駐車場の詳細情報
- 駐車場名:丹波山村営 小袖乗越駐車場
- 駐車台数:45台
- 駐車料金:無料
- 住所:山梨県北都留郡丹波山村5412
- 緯度経度:35.785911 138.977667
- ダート路:無
- トイレ:有
- 主要登山ルート:七ツ石山(往復所要時間:5時間30分)、雲取山(往復所要時間:8時間00分)