JR東日本八王子支社は、2020年11月28日(土)21時頃から29日(日)6時40分頃までのおよそ9時間、福生市のJR青梅線牛浜(うしはま)駅のホーム延伸に向けて、線路を160メートルにわたり最大60センチ移設する工事をした。
2023年度末、中央快速線などのグリーン車サービス開始を見据え、12両編成化に伴うホームの延伸工事を青梅線の各駅で実施している。
牛浜駅ではこのままだとホームの幅が確保できないため、青梅側の下り線路を最大60センチ南に移設する工事を行い、最終的にホームを青梅側に約30メートル延伸する工事を行った。
ちょうど夜中に取材で牛浜駅近くにいたため、線路切換工事と代行バスの状況を少し見学することができた。
青梅線の線路移設という滅多に見られない工事。ここに見たままを記録しておこうと思う。
JR青梅線牛浜駅の線路切換工事の様子

ちょうど牛浜駅近くに到着したのが22時30分頃。駅周辺は警備員の方が10メートル置きぐらいに配置されており、やや物々しい雰囲気が漂う。


線路沿いでJR八王子支社の職員の方や鉄道ファンらが見守る中、線路ではすでに多くの作業員の方がコンクリートを壊す作業を行っていた。

踏切の信号が点滅した中での工事。赤と白のライトが緊迫感をより一層掻き立てていた。

踏切の線路はすべて外され、コンクリートの塊が山積みに。

歩行者がいるときのみ仮設板が設置され、歩行者は急ぎ足で渡っていた。

160メートルにおよぶ工事区間を7つに分け、作業員数名が手作業で少しずつ線路を動かしていた。

バールを使い線路を動かす作業員ら。

移動した線路の位置を確認する作業員。

延長されたホームから見守る作業員。

リミットは決まっている。戦う人たちの表情は真剣そのものだ。

線路の上を走れるショベルカーも出現。


深夜という限られた時間の中、失敗は決して許されない。
架線の位置を少しずつずらしたり、車両との間にすき間が生じないように、ホームの位置をせり出す作業が世を徹して行われた。
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JR青梅線牛浜駅、踏切切替工事の様子 #牛浜駅 #JR東日本 #青梅線 pic.twitter.com/ObDeIg0E1V
— こいたま編集部 (@koitama_tokyo) November 28, 2020
代行バスの様子

線路切換工事中、拝島から青梅までは運休となり、代行バスが運行。牛浜駅の改札口でも、「運転見合わせ」の電光掲示板が点灯していた。

牛浜駅の代行バスは青梅駅、河辺駅、拝島駅行きの3ルート。3〜5分間隔で運行しており、台数が多いためか、ひっきりなしに運行している状態だった。代行輸送のため、電車の運賃と同額のバス代が必要だ。


運行していたバスは立川バス、西武バス、西東京バス、京王バス。どれに乗っても基本OKとなっていた。

今回の作業はおよそ300人。警備も厳重体制で、限られた時間にも関わらず、素晴らしいチームプレーで作業を行っていた。

プレッシャーも相当あっただろう。緻密な計画を遂行した結果、無事に線路切換工事が終わった。何事もなかったかのように青梅線は現在動いている。
普段、何気なく乗っている電車。こうやって夜中に必死に働いていた人達がいたことを忘れてはならない。