美しい翡翠(ひすい)色の姿から別名「飛ぶ宝石」と呼ばれているカワセミ。とても警戒心が強い野鳥ですが、先日、偶然にも水面にダイビングする一匹のカワセミと遭遇しました。
ますますカワセミについて興味を抱いた、こいたま編集部たち。瑞穂町の残堀川に設置してある「カワセミ像」に行き、設置のルーツを追ってみることにしました。
残堀川付近に建つカワセミ像
狭山丘陵西端付近にある狭山池(瑞穂町箱根ケ崎)に源を発する残堀川。瑞穂町以外にも、武蔵村山市、立川市、昭島市を流れる東京都の一級河川です。
残堀川は今では水量も少なく、雨水を流す川になっていますが、水質が良かった明治初期頃は玉川上水と合流していたそう。
水質が悪くなり、玉川上水から切り離されて多摩川に流す経路になり、今では「堀だけが残る川」ということで残堀川(蛇堀川だったという説もあり)となっているそう。
カワセミ像の場所は、瑞穂町役場から歩いて約3分。残堀川沿いの「中宿橋(なかじゅくばし)」付近に、そのカワセミ像は設置してあります。
中宿橋には長いくちばしで魚をくわえるカワセミのイラストが掘られており、この地にカワセミが生息していることを表しています。
残堀川の整備が進むにつれ水質が改善されると、それをエサとするカワセミの姿も一年を通して見られるようになりました。
カワセミは崖に穴を掘り巣を作ります。護岸工事にあわせ、カワセミの繁殖の願いを込め、営巣ブロックを2箇所設置したところ、住宅街にも関わらず毎年のように営巣し、多くの雛が巣立っていくようになったとか。
2017年2月、都市と自然が調和するシンボルとして、地域の人たちに見守られ、後世に豊かな自然環境を残すことを願い、このカワセミ像は設置されました。
カワセミの親子でしょうか?
親鳥が獲ってきた魚を、子どもたちにあげている4羽の微笑ましい姿が見られます。いや、もしかしたら「これは私のものよ!」と争奪戦を繰り広げているのかも・・。
自然界は環境の変化などにより、生き抜いていくことは大変であることを意味しているのかもしれません。
カワセミは、とても警戒心が強い野鳥です。見かけたらフェンスから離れ、十分な距離をおいたところから観察してください。また、繁殖期は、営巣ブロックの周辺には近づかないようにしましょう。
自然界の宝石と共存できる社会をめざしていきたいですね。