東京都の最西端にある都内で最も面積が広い町「奥多摩町(おくたままち)」。清らかで美しい渓谷や山々が多く「ここは本当に東京都なの?」と思ってしまうほど大自然が溢れている町です。
秋になると、東京都で一番早く紅葉が見られるスポットとしても有名です。山々が赤や黄色に染まりだし、辺り一面鮮やかな光景に包まれます。
「奥多摩に紅葉に行きたいけれど、一体どこに行ったらいいの?」と、おすすめの紅葉スポットを探しているあなたに、奥多摩在住のこいたま編集部の一人が現地からこっそり教えちゃいます。
奥多摩町の紅葉の見頃はいつぐらい?
やはり気になるのは、紅葉の見頃ですよね。
長い時間をかけて奥多摩に行って紅葉を見るなら、もっともきれいな時期に見に行きたいものです。
青梅線の終点となるJR奥多摩駅の標高は、都内で最も高い標高343メートル。都心に比べてはるかに標高が高い地域ですが、奥多摩町にある紅葉のおすすめスポットは、11月上旬~中旬、遅くても下旬頃が紅葉の見頃です。
けっこう、遅めと思われたかもしれませんね・・。
上旬でも早いかなぁ。おすすめの見頃は11月中旬です。下旬は茶色く枯れている箇所もちらほらあります。
よく、奥多摩の紅葉の見頃は10月中旬ごろからと記載している雑誌やWEBサイトなどがありますが、10月中旬ごろはまだまだ青々としていて紅葉なんて見られやしません。山頂付近が「ん?少し色づいている?」とよく見るとわかるぐらいです。
10月下旬頃になると、標高の高い山頂付近が赤やオレンジ、黄色に変化し始め、「あぁ、もうすぐ紅葉シーズンになるんだな」とわかるぐらいに染まり始めます。
あと、奥多摩の紅葉スポットと言っても、青梅市御岳にある御岳山(みたけさん)やあきる野市の五日市方面にある秋川渓谷、八王子市の高尾山の方まで奥多摩と表記している雑誌やWEBサイトがあるので注意してくださいね。路線も場所も全然違いますよ!
奥多摩の紅葉スポットは実に色んな箇所がおすすめですが、たくさん紹介されても迷ってしまいますよね。
ここでは実際に見て本当に悩んで悩みまくって7つ厳選しました。ジャジャン!それではお待たせしました。東京都奥多摩町内のおすすめ紅葉スポット5選をご紹介していきますよ。
1.奥多摩湖畔(水と緑のふれあい館)
奥多摩町で一番有名な観光スポットと言えば、奥多摩湖(小河内ダム)。東京都と山梨県にまたがる周囲45キロメートルの人造湖です。紅葉の時期に湖畔の遊歩道を散策すると、湖に迫ってくるような山並みの色合いが心地よく感じられます。
湖畔からの眺めも最高にキレイですが、もっともおすすめなのは奥多摩湖の水面に映る紅葉。まるで水鏡のように上下に映る姿は、心を奪われてしまうほど圧巻な景観です。
奥多摩湖畔には多くの観光スポットがありますが、車やバスでのアクセスにおすすめのスポットは、水道局のPR施設である「水と緑のふれあい館」があるダムサイト。無料の駐車場が併設されていますし、ダムを上から見下ろせる展望塔もあるため、紅葉以外にも楽しめるスポットとなっています。
奥多摩湖に紅葉を見に行こうと思ったら、まずは「水と緑のふれあい館」を目指してみてくださいね。一度は必ず見ておきたいイチオシの紅葉スポットですよ。
水と緑のふれあい館
- 住所:〒198-0223 東京都西多摩郡奥多摩町原5番地
- 電話番号:0428-86-2731
- 公式サイト:http://www.okutama.gr.jp
2.鳩ノ巣渓谷(雲仙橋)
青梅線・JR鳩ノ巣駅から徒歩約5分と、駅チカで電車利用の方におすすめな紅葉の名所。鳩ノ巣渓谷は巨岩・奇岩が連なる中、水しぶきを上げて多摩川が流れるダイナミックな景観が楽しめるスポットです。
鳩ノ巣渓谷の紅葉の見頃は、11月上旬ごろから。見頃の紅葉はまるでジオラマを見ているかのようにひときわ美しいスポットです。渓谷の両側が朱色と黄色で彩られる景観は圧巻です。
こちらは昨年、2020年11月27日に雲仙橋から見た鳩の巣渓谷の紅葉の様子。時期的に言うと下旬ですが、まだまだ紅葉の見頃シーズンでした。しかし、やはりおすすめは11月中旬頃ですね。
もっとも美しい鳩ノ巣渓谷の紅葉狩りは、11月上旬~中旬ごろに行くといいでしょう。
特に鳩ノ巣渓谷の頭上にかかる雲仙橋からの眺めは、高所恐怖症の方にはおすすめできませんが..、両サイドどちらからも見られる景観は、思わず見とれてしまうほどの壮大なスケール感ですよ。
あと鳩ノ巣渓谷からもっとも近い町営駐車場は、登山客などで早朝から満車状態になることが多いです。8時〜9時ぐらいに到着しても「え、もう満車?!」と驚くことも。しかも、登山から戻ってくるまで空かないことが多いです。
「鳩ノ巣渓谷に車で行ったけれど、停める場所がなくて泣く泣く断念した」ということがないように、事前に予約可能な駐車場予約サービス「akippa(あきっぱ!)」で予約してから行くことをおすすめします。
鳩ノ巣渓谷
- 住所:奥多摩町棚沢
- アクセス:JR鳩ノ巣駅から徒歩で約10分
- 駐車場:町営鳩ノ巣駐車場(約50台、無料、トイレあり)
3.氷川渓谷(氷川小橋)
「奥多摩駅からすぐ近くの場所で紅葉を見られないかな?」というあなたにおすすめなのが、JR奥多摩駅から徒歩3分の好立地にある「氷川渓谷」。奥多摩の中でも駅チカで紅葉が楽しめる名所の一つです。
氷川小橋は駅前通りを歩いていき、交番が角にある「奥多摩駅入口交差点」を渡ると左側に奥氷川神社が見えてきます。その道路を下っていくと、氷川小橋にたどり着きます。
紅葉の名所は氷川渓谷を上から見渡せる「氷川小橋(ひかわこばし)」がおすすめ。氷川小橋は全長50mほどの小さな吊橋で、テンポよく歩かなければそこまで揺れることもありません。「吊り橋怖い!」という人でも安心して渡れるはず。
吊橋でも途中ですれ違いも可能なくらいの幅がありますよ。
橋の上からは、真っ赤な色の昭和橋と紅葉のコラボ写真が撮れる絶景スポット。日原川と多摩川の合流地点のため、エメラルドグリーンに染まる水と透明度の高い水との交わる様子が見られます。
上流側は大きな岩と真っ赤なもみじの他に、日原川にかかる鉄骨で組まれたアーチ型の橋「氷川大橋」とのコラボ写真が撮れます。
氷川小橋からは遊歩道が整備されています。しかし、おととしの台風19号の影響で遊歩道の一部が崩落し通行止め中。遊歩道から紅葉と苔とのコントラストを眺めたりと、歩くだけで大自然を満喫できる道です。早期復旧を願いましょう。
氷川小橋
- 住所:奥多摩町氷川185
- アクセス:JR奥多摩駅から徒歩3分
- 駐車場:駅前にタイムズ駐車場あり
4.白丸湖(数馬峡橋)
JR白丸駅から徒歩10分、エメラルドグリーンに染まる湖が「白丸湖(白丸調整池)」。白丸ダムで多摩川をせき止めてできた人工湖です。
湖上ではカヤックやSUPなどのアクティビティが盛んに行われており、赤や黄色に染まった美しい景観を水上から楽しめます。
水上から見る紅葉は迫力満点ですが、水上じゃなくても白丸湖にかかる数馬峡橋からは湖畔を真っ赤に染める迫力ある景観が橋の双方向から楽しめますよ。
数馬峡橋からJR奥多摩駅方面に向かう途中にある白丸調整ダムからの紅葉も圧巻。大雨が降ったあとは放流しているときもあり、白い水しぶきとともに迫力あるワンショットが撮れます。
比較的人が少ないエリアかと思いきや、休日は朝早くからアクティビティを楽しむ人で溢れかえっています。近くの町営駐車場がすぐにいっぱいになってしまいますので、事前に確保してから向かうといいですよ。
白丸湖
- 住所:奥多摩町白丸361
- アクセス:JR白丸駅から徒歩10分
- 駐車場:数馬峡橋近くに町営駐車場あり
5.留浦浮橋
まず、この浮き橋の名前読めますか?これは「留浦(とずら)」と読みます。よく「とめうら」と間違えられることが多い地名ですが、ぜひここで覚えていってくださいね。
奥多摩町には「麦山浮橋(むぎやまうきばし)」と「留浦浮橋」の2つの浮橋があります。2つとも湖面上を渡れる浮橋で、どちらの浮橋からも奥多摩湖畔上の紅葉を眺められます。
ただし、なぜ留浦浮橋の方をおすすめしたのかというと、駐車場がきちんと完備されているのでアクセスしやすいのです。麦山浮橋はトンネル入口付近にある路上に車を縦列で停める必要があります。また2〜3台しか停めるスペースがないため、行っても停められない可能性大です。
全長212メートルの留浦の浮橋上からは3方向に山々の景観が広がり、紅葉の時期に浮橋を渡ると圧巻の景観を楽しめます。
初めて浮橋を渡るときは、揺れるので怖いですけれどね。向こう岸にタッチして戻ってくるときには、怖いなんてことを忘れてしまうほど壮大な景観に圧倒されているはずです。
あとですね、留浦浮橋をおすすめにしたもうひとつの理由があります。
それは、すぐ近くにおいしいカツ丼が食べられる定食屋「島勝(しまかつ)」の存在です。店主も温かくて気さくですし、カツ丼のほかにそばやとろろ定食など、おすすめの料理が多数あります。
一度食べたら病みつきになること間違いなしのおいしさ!
奥多摩特集などで放映されたこともあり、かなり混んでいる人気店。紅葉狩りでお腹が空いたらぜひ立ち寄ってみてください。湖畔を眺めながらお腹いっぱい満たせますよ。
紅葉を楽しむために事前情報を調べよう
都内みたいに気軽に散歩しながら紅葉を楽しめたらいいのですが、奥多摩周辺は駅もないし飲食店も限られています。紅葉を思う存分楽しむためには、交通手段やランチスポットなど事前に調査してから行くことをおすすめします。
車で行くとなると駐車場の確保や渋滞状況、奥多摩駅からはバスやタクシー、レンタカーやレンタサイクルなどを使って行く必要があります。
バスの数も限られていますので、往復のバス時間などを調べてからぜひ出発してみてくださいね。
東京最西端で、一番最短に楽しめる紅葉スポット。色とりどりの紅葉を見て、心の底から癒やされてきましょう。