ギラギラと太陽が照りつける暑い夏と山々が色とりどりに染まる紅葉の季節が終わり、奥多摩町もいよいよ寒い冬に突入しました。
何だか、とても寂しくなりますよね。
夏から秋にかけて、都内から多くの人が訪れる奥多摩町。JR奥多摩駅前のバス停では、バスを待つ人たちの長蛇の列が出来るほどにぎわいますが、冬になると閑散とした風景が広がります。
「冬の奥多摩なんて、何もないし行っても楽しめないんじゃないの?」
と思ったあなたへ。
実はあるんですよ!
冬は夏と違い、また違った楽しみ方があるのです。
冬の閑散としている奥多摩周辺
こちらは、12月初旬の日曜日、お昼ごろのJR奥多摩駅前です。
見事に人がいません!
夏や紅葉の観光シーズンは、登山客や観光客が飲食店の前でウロウロしていたりと、かなりの人でにぎわっている時間帯ですが、日曜日はほとんど人が歩いていません。
こちらは、クリスマスツリーが飾られている、JR奥多摩駅舎2階「ポートおくたま」内。こちらも観光シーズンは満席に近い状態になりますが、寒い日は平日のような穏やかさが広がっています。
夕方近くになると登山客の人たちが戻ってきてある程度は賑わいますが、夏のように密になることはほとんどありません。
車の渋滞がなく快適ドライブ
観光シーズンになると、JR奥多摩駅や鳩の巣駅周辺は多くの観光客が車やバイクで押し寄せます。
特に早朝は登山客の人たちが町営駐車場に車を停めて、山登りに繰り出す人が多いため、休日の朝早くから駐車場が満車になることも。満車の駐車場に長蛇の車が並ぶため、道の方まで大渋滞にあることも多々あります。
危険な運転をする一部のライダーが、無理やり車を追い越していくことも多々あり、運転には冷静さと細心の注意を払う必要があります。
夕方になると帰省する人たちで溢れかえり、国道411号線は青梅方面に向かう車で大渋滞に。イライラする人も多く、帰るころにはクタクタになってしまうことも・・。
しかし、冬場は道路はかなり空いており駐車場も空いていることが多いです。
イライラすることも減り、快適に運転できますので、冬はドライブすることがますます楽しくなるかもしれません。
冬の奥多摩湖は空気が澄んでいる
力強い入道雲が立ち上がり、夏の太陽をたっぷり浴びた奥多摩湖もアグレッシブで、とても美しいです。
しかし、冬の奥多摩湖は空気が澄んでいるため、山と山との境界線がクッキリとしています。
この写真を撮影した当時は暴風が吹き荒れていて湖面が波打っていましたが、風がない日は山々が湖面に映り、上下逆さまの景色が楽しめます。
澄み切った空を見ていると、心の中まで澄み渡るようにキレイになっていきますよ。
冬は温かい鍋焼きうどんが食べられる
冬の奥多摩は猛烈に寒いです。
早朝は氷点下を下回り、昼間は10度行くかいかないかぐらいで、都心より2~3度低いと考えていたほうがいいです。
奥多摩湖周辺の小河内地区はさらに寒く、JR奥多摩駅周辺では雨でも、小河内地区の集落周辺は雪が積もることが度々あります。
そんなときに、温かい鍋焼きうどんが食べられるお店があるのをご存知でしょうか?
その店は、奥多摩湖周辺沿いにある定食屋「島勝(しまかつ)」。鍋焼きうどんは冬季限定(12~3月)で、熱々でグツグツの土鍋に入って提供されます。
定食もあり、柚子味噌がついた刺身こんにゃくや季節の小鉢がバラエティにつき栄養満点ですよ。
定番のカツ丼は1度食べたらほかのカツ丼が食べられなくなるほど、病みつきになるお味。猛烈に寒い日には、身体も心もポカポカに温まること間違いなしです。
雪降る奥多摩は幻想的な世界
奥多摩の四季の中で、実は一番おすすめなのが雪が降る季節です。雄大な山々に粉砂糖がふりかかったかのような雪が降り積もり、まるでジオラマのような幻想的な世界が広がります。
深々と降り積もった雪を見ているだけで、悩みがちっぽけに思えてきて、どうでも良くなってきたり。
自然界の雄大さに圧倒されてしまい、「あぁ、まだまだ人生がんばろう」と思えてくるから不思議です。
日常でちょっと疲れたなと思ったときは、雪が降り積もる奥多摩をぜひ訪れてみてください。
冬は空気が澄み切っていて満天の星空が
雪降る奥多摩は幻想的ですが、奥多摩はそれほど雪が降る地域ではありません。ワンシーズン1~2回降ればいいぐらいかも。
でも、奥多摩の冬は空がめちゃくちゃキレイなのです。
奥多摩湖周辺の山々に来たら、空を見上げてみてください。
キラッキラな星が広がる空を見渡せます。
明るい都心では見られないような、満天の星空が広がっているのです。
冬の大三角形はもちろん、ふたご座流星群が見られる時期は、流れゆく星が多数見られるかもしれません。
何もないからこそ「贅沢」なひとときが過ごせる
夏と秋の観光シーズンが終わり、冬になると「奥多摩は何もないし、わざわざ行く意味ないのでは?」と思ってしまいますが、
何もないからこそ行く意味があるのです。
誰もいないからこそ、雪山や星空などの大自然を独り占めできます。
空気が透き通っている中で、自分だけにしか感じない「何か」を見つけられます。
外はガチガチに寒い中で、湯気がモクモクと立ち上る温かい温泉に浸かりながら、一人でボーッとする時間も必要だったりします。
冬の奥多摩は何もないからこそ、その場所を独り占めし贅沢なひとときが味わえるのです。
一人で訪れるもよし!
大切な人と一緒に訪れるもよし!
冬こそ、五感を研ぎ澄まして奥多摩を感じ取るチャンスです。
何もない贅沢な空間に、あなたもぜひいらしてみてくださいね。